2−2.撮影の実際

私が実際に、どのようにテーブルフォトを撮影しているのかを見てください。 あくまでも私の個人的な撮り方であって、あまり一般的とは言えないかもしれませんが。


2−2−1.フィギュアの撮影

バルタン星人のミニフィギュアを撮影してみます。 バルタン星人が闇の中から浮かび上がるような感じにして、両手のハサミの金属的な質感にポイントを置いて撮りたいと思います。


下の画像 2-2-1のようにセッティングしました。 背景に使っているのは、コンビニ弁当の空き容器です。


 2-2-1

ポイントとなる両手のハサミの部分のライティングから決めてしまおうと思います。 まずは「ストロボ-1」だけを使い、金属のギラついた感じが表現されるように、「バルタン」の右斜め後方から強めに光を当てます(画像 2-2-2)。


 2-2-2

当然のことながら、前面は影になってつぶれてしまいました。 「ストロボ-1」の対角線にあたる位置に「白レフ」をおいて、影の部分をおこします(画像 2-2-3)。


 2-2-3

ポイントにしようと考えていた両手のハサミの感じは、こんなものでいいかな、と思います。 ただ、このままでは「バルタン」の左側の体の線がバックに溶け込んでしまっています。 また、背景ももう少し明るくした方がいいようです。 そこで、「ストロボ-1」の反対側に置いた「ストロボ-2」に簡易バウンサーを装着して光を拡散し、今仕上げたハサミの部分の雰囲気が壊れないように弱めに照射しました(画像 2-2-4)。


 2-2-4

これでだいたい当初思い描いていたイメージになりました。 あとは、色彩の生々しさをレタッチソフトを使って修正して出来上がりです。 完成作品は、こちらをご覧ください。 →作品「バルタン星人」


2−2−2.ジオラマの撮影

簡単なジオラマを作って、浜辺で戯れるバルタン星人をバックにして、貝殻の写真を撮影してみます。


下の画像 2-2-5のようにセッティングしました。 水色の和紙で空を、青系のムラ模様の和紙で海を表現し、その手前にコンビニ弁当のプラスチック製の蓋に砂を盛ってバルタン星人のフィギュアと貝を置いただけという、シンプルなセットです。


 2-2-5

まず、背景の空と海のライティングを決めます。 半逆光での撮影という設定にしたいので、「ストロボ-1」を背景に向けて露出オーバー気味に照射します(画像 2-2-6)。


 2-2-6

次に、「ストロボ-2」と対に置いた「銀レフ」でメインの被写体である貝殻に光を当てますが、こちらは適正露出になるように調節します。 「ストロボ-2」の手前にセットしてあるのは、インスタント焼きそばの発泡スチロール製の容器で、ディフューザーの代わりです。 ここでは、ストロボ光を弱めるために使っています。 大きさが手頃なので、テーブルフォトの撮影には重宝する小道具です(画像 2-2-7)。


 2-2-7

これで、大まかなライティングは決まったので、あとは細かい部分を修正します。 バルタン星人の顔がこのままではやはり暗すぎるようなので、ここにスポットライトを当てようと思います。 「ストロボ-3」に、黒い画用紙を円錐状に丸めて被せ、余分な光を遮断します。 「ストロボ-3」だけを照射すると、画像 2-2-8のようになります。


 2-2-8

画像 2-4-7の状態に「ストロボ-3」を加えたのが、画像 2-2-9です。


 2-2-9

夏の終わりの夕暮れ間近の情景にしたいので、仕上げにレタッチソフトを使って赤みを増して完成です。


 2-4-10


2−2−3.合成写真の作成

下の建物の写真に、怪獣ゼットンを出現させてみようと思います。


 2-2-11

ゼットンのミニフィギュアの写真を撮影して画像 2-2-11に合成するわけですが、ミニフィギュアを撮影する際の光の状態を背景の建物と同じにしなければならないので、ストロボではなく定常光を光源にして光の当たり具合を確認・調節しながら作業します。 セッティングは下の画像 2-2-12のようにしました。


 2-2-12

画像の明度は後からレタッチソフトで修正を加えるので、撮影に当たっては白く飛んだり黒く潰れたりする箇所がないように露出を決めます。 こうして撮ったのが下の画像 2-2-13です。


 2-2-13

顔と胸の部分にライトを当てて光らせた画像を別途撮影し、部分的に合成します(画像 2-4-14)。


 2-2-14

ミニフィギュアの部分だけをレタッチソフトで切り出し、先の建物の画像 2-4-10に重ねます。


 2-2-15

レタッチソフトを使って、背景となじむようにミニフィギュアの明るさのレベルや色調を調整します。 怪獣は遠方にいるので、コントラストは弱めにします。 さらに花火大会のときに撮影した画像も合成して臨場感を高めようと思います。 完成作品は、こちらをご覧ください。 →作品「ゼットン襲来!」






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