2.マイ スタジオ


私がどのような道具を使ってどのようにテーブルフォトを撮影しているのかご紹介したいと思います。 私には素人なりのポリシーみたいなものがありまして、それは、なるべく身近にある物を利用してお金をかけないで撮影する、ということです。 こんなに安上がりに作ったのに、なかなか満足のいく結果になったぞ、と一人悦にいるのが、私の密かな楽しみなのです。



2−1.撮影の道具


スタジオ

使わなくなった学習机とハンガーに、白色や乳白色半透明のポリプロピレン板を組み合わせて、テーブルフォトを撮影するスタジオにしています(画像 2-1-1)。


 2-1-1

フレキシブルアームのついたクリップを使って、ハンガーのシャフトに照明器具やライトカッター、レフ板、ディフューズ板などをセットできます。


 2-1-2

画像 2-1-2は、我が家の廊下の一角にある旧スタジオです。 パイプ組み立て式のハンガーの下段を活用し、小型のガラスのテーブルを撮影台としています。 こんな簡単なセッティングでも、けっこう使えます。


小道具類

アンブレラやレフ板など写真専用の道具もありますが、身の回りにある日用雑貨を活用して撮影することが多いです。 たとえば、バウンサーには白色ボール紙やくしゃくしゃにしたアルミホイルを使いますし、ディフューザーにはゴミ出し用の乳白色半透明のポリ袋やインスタント焼きそばの発泡スチロール製容器を利用しています。 黒く塗ったボール紙はライトカッターとして使えますし、背景紙には模造紙・色画用紙・和紙・包装紙などを使っています。 プロの写真家であれば、常に一定水準以上のクォリティが確保できる写真専用の道具を使う必要があるのでしょうが、私のような素人は、そこまでシビアにならなくても一向にお構いなしです。 思いつきで様々な物を使ってみて、思わぬ効果が得られたりするのを楽しんでいます。


私が工夫して使っている物のうちで、とくに役に立っている道具を紹介します。


 2-1-3

画像 2-1-3は、白いボール紙の片面にくしゃくしゃにしたアルミホイルを貼ったもので、銀レフ、白レフとして使用します。 狭いテーブルの上での撮影には、市販のレフ板よりも大きさを自由に作れる手製の物の方が重宝します。 この写真ではレンズのフードにクリップで留めていますが、このようにすれば野外での花の撮影などの折にも役立ちます。


 2-1-4

画像 2-1-4は、空気を入れて膨らます簡易バウンサーを装着した小型ストロボを一脚に取り付けたものです。 一脚のポールを手で持って、どのような位置からのライティングも思いのままにできます。 こちらも、野外での花の撮影などにも使えます。


 2-1-5

画像 2-1-5は、発泡スチロール製とアルミホイル製のインスタント麺の容器を組み合わせて手持ちの小型ストロボに装着できるようにしたものです。 ディフューザーとしても役立ちますが、二つの容器の間にカラーセロファンをはさんで様々な光を演出できるので重宝しています。 ストロボを固定するのに使っているのは自由雲台が付いた強力クリップです。


 2-1-6

画像 2-1-6で矢印で示してある物は、店舗・事務用品を扱う店で見つけました。 自在に動くハンドのついたクリップです。 本来は、お店でカードやメニューを掲示するための物のようですが、画像のようにストロボを載せた三脚やライトスタンドに取り付けると便利に使えます。 これに黒いボール紙を挟めばライトカッターになりますし、白や銀色のボール紙に代えればレフとして活用できます。 こうした使い方の他にも、背景紙を固定するための利用など、様々な使い道がある便利グッズです。


 2-1-7

画像 2-1-7も、ハンドのついたクリップです。 こちらは台座がついているので、レフ板やライトカッターを被写体の横にセッティングする場合などに重宝します。


 2-1-8

台座のついたクリップには、画像 2-1-8に示したようにアームの長い物(1)もあります。 他にもカード立てとしては画像の2や3のようなものもあり、これらもレフ板などを立てる際に便利に使えます。


 2-1-9

画像 2-1-9は、小型のついたて(ブックエンド)です。 二つを一組にして用い、背景板を立てたりするのに使っています。


 2-1-10

小型のついたて(ブックエンド)は、画像 2-1-10のようにアームの付いたクリップを使ってライトをセッティングする場合などにも活用できます。 重しを載せると安定します。


 2-1-11

プロ用の照明機具にはハニカムグリッドが付いていて、光の余計な拡散を防ぐようになっています。 このグリッドと同じように使える物をみつけました(画像 2-1-11)。 ボール紙製で50センチ×30センチくらいの大きさがあり、本来はプラモデルなどをエアーブラシで彩色する場合に用いる道具に使うようです(模型売り場で売られていました)。 これを照明の前に手持ちで掲げて使っています。 光をスポット的に照射できる他、光の柔らかさの調節もできて、なかなか役立ちます。


 2-1-12

画像 2-1-12は、自製の吊り下げ式のソフトボックスです。 内側を白く塗った段ボール箱の底にゴミ出し用のポリ袋を2枚重ねで貼り付けただけの物で、ほとんどコストがかかっていないわりには、そこそこ効果があります。


その他

テーブルフォト用の簡易スタジオ・簡易撮影台というような商品があります。 だいたいは組み立て式で数十センチ四方の乳白色半透明のボックス形をしており、その中に被写体を入れ外からライトを当てて撮影するとプロ並みの写真になる、という物です。 写真仲間と、あれ、役に立ちそうかな、という話になったことがあります。 素人の私がそれらの物を一度も使ったことのない分際で言うのも何なのですが、とても便利な場合もあれば、あまり有難くない場合もある、と考えています。


便利な場合というのは、たとえばクラフトワークなどを作っている人が自分の作品を記録に残すようなケースで、綺麗な(見苦しくないという意味で)写真を手軽に撮ることができて、大いに役に立つだろうと思います。


有難くない場合というのは、テーブルフォトを作品として撮影しようという場合で、そういうときにこれらの物を使ってしまうと、いつも同じような写真ばかりを撮ってしまうことになるのでは、と懸念しています。 ライティングは、写真の雰囲気を左右する決定的な要素なので、ここは安易に走らず、できるだけ苦心してイメージ通りの光を創り出すようにした方がいいと思っています。






前ページ | ホーム | このページのトップ | 次ページ
inserted by FC2 system