3.2 背景

テーブルフォトの撮影では、背景は工夫次第でどうにでもでき、それに応じて様々なイメージの写真を撮ることができます。 背景をあれこれ試行錯誤しながら作っていくのもまた、テーブルフォトの楽しみです。


情景を作る

青いムラ模様の和紙(画像 3-2-1)を使って、海の情景を作ってみます。


 3-2-1

この和紙に、青や赤のセロファンを被せたストロボやハロゲンライトで照明を当て、いろいろな時間帯の海を描いてみます。


まずは、朝焼けの海です(画像 3-2-2)。


 3-2-2

日中の海です(画像 3-2-3)。


 3-2-3

夕焼けの海です(画像 3-2-4)。


 3-2-4

そして、日没の海です(画像 3-2-5)。


 3-2-5

この和紙で作った海の情景を背景にして撮影したのが、画像 3-2-6です。


 3-2-6

次は、空の情景です。 青色系のビーチグラス(シーグラスともいいますね。海岸に打ち寄せられているガラスの破片です)を使ってみます。(画像 3-2-7)


 3-2-7

ガラスのテーブルにビーチグラスを並べ、その上にやや離して白色アクリル板をセットし、葉はそのアクリル板に載せています。 テーブルの下から、インスタント焼きそばの発泡スチロール製の空き容器でディフューズしたストロボ光を照射しました。 また、上方からも白レフ板でバウンスしたストロボ光を弱く当てています。


画像 3-2-8は、海の中の様子を想像したものです。


 3-2-8

ガラスのテーブルの上に熱帯魚の水槽などに入れる人口の海草を置き、その上方にセットした半透明のアクリル板の上に貝殻を並べました。 青いセロファンを被せたストロボの光を、インスタント焼きそばの発泡スチロール製空き容器でディフューズしてテーブルの下から当て、上方からもディフューズしたストロボ光を弱くあてています。


他にも、身の回りにあるありふれた物が、けっこう面白い背景として使えます。


 3-2-9

画像 3-2-9の背景は、ペットボトルの内部を撮ったものです。 ミニフィギュアを別に撮影し、レタッチソフトを使って合成しています。


 3-2-10

画像 3-2-10の背景は、我が家の庭に生えたススキの穂です。


奥行き感を出す

テーブルフォトを撮っていて一番悩むのは、どうしても画面が平面的で狭隘な感じになりやすいということです。 そこで背景を工夫することによって、奥行きや広さが感じられるようにしています。


 3-2-11

画像 3-2-11は、被写体をテーブルの上に並べて上から撮っているだけです。 画面に奥行き感が出るように、下に敷いてある布の風合いを画面下から上へと少しずつ変え、さらに皺を作って立体的にしています。 またライティングも画面下方は蛍光灯色のランプで照らし、画面上方には電球色のランプを照射して差を作るなど工夫をしています。


 3-2-12

画像 3-2-12は、写真に特有のボケを使い、手前の被写体と背景の距離感を表現してみました。


 3-2-13

画像 3-2-13では、背景をぼかしたことにくわえて、被写体と背景とで照明を変えてさらに距離感を強調しました。






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