3−3−3.背景の工夫

テーブルフォトでは、背景に室内の様子が写り込んでしまいがちです。 主役を引き立てる脇役となる物が並んでいるのなら良いのですが、部屋の中にそのような物ばかりがあるとはかぎりません。 花のような被写体では、形の面白さや色の美しさを際立たせるめには、背景はあまりゴチャゴチャせずに単純であった方が良い場合が多いようです。


背景紙を用いる

緑色系のムラのある和紙をバックに使ってみました(画像 3-3-21)。


 3-3-21

明るい窓際で、窓から入る光で撮影してみます。 この場合、被写体の影が背景に映ってしまうと雰囲気が壊れてしまうので、背景紙を被写体から離したり光線の向きを変えるなどして影の出方を調節します。 同じ背景紙を使っていても、被写体とバックそれぞれに対する光線の当て方次第で、様々な異なったイメージの写真になります(画像 3-3-22、3-3-23、3-3-24)。


 3-3-22

 3-3-23

 3-3-24

ポスター、カレンダーなどを利用する

ポスターやカレンダーなどによい写真があったら、それらを背景として利用してみるのも面白いです。 たとえば、下の画像 3-3-25のようなカレンダーを使ってみたらどうでしょう。


 3-3-25

天井の蛍光灯の光のみで撮影してみます。 この場合、カレンダー全面に均一に光が当たるようにカレンダーの設置場所を調整しますが、蛍光灯の光がカレンダーで反射して光ってしまわないように注意します。 また、被写体と背景の距離を調節するなどして、被写体の影が背景に落ちないように工夫します。 以上のことを考えながら、背景の前にただ被写体の花を置いて撮影したのが下の画像 3-3-26です。


 3-3-26

少し不自然な感じがするのは、花に当たる照明の状態を考えていないからです。 自分が背景の写真の中に入り込んだつもりで、花にどのような光が当たるのかを想像してみる必要があります。 この例では、花は葉陰にあるので背景の海よりも少し暗くなりコントラストも弱いはずです。 被写体と背景のどちらか一方を暗くするには、暗くしたい方を何かで覆って陰にしてやります。 ここでは、乳白色半透明のゴミ出し用のポリ袋を2回折りたたんで、花の上のみにかざしてみました(画像 3-3-27)。


 3-3-27

これで被写体の花が背景の写真となじむようになったと思います。


逆光で撮影

やはり窓際のテーブルの上に被写体を置いての撮影ですが、背景紙は用いず、代わりに窓の下半分からテーブルの上にかけて、乳白色半透明のゴミ出し用ポリ袋で覆いました(画像 3-3-28)。


 3-3-28

こうすると、背景は柔らかく被写体を包み込むような白い光になります。 逆光での撮影になるので、被写体の正面から銀のレフ板(厚紙にアルミホイルを貼ったようなものでも代用可)で光を反射させて影の部分を起しました(画像 3-3-29、3-3-30、3-3-31)。


 3-3-29

 3-3-30

 3-3-31

個人的には、花はこのように、順光線と逆光線が適度に混ざった状態で撮影すると最もきれいに撮れるのではないかと思っています。






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